保安器とは?インターネットに必要な保安器について調べてみた

ADSLでのインターネット通信をしている場合によく聞く設備の1つが保安器です。
自宅の外壁につける機材ということはわかるのですが・・・

この保安器という機材、インターネット通信をする時にはかなり重要な役割を
持っているのをご存知でしょうか。

重要だけどよくわからない「保安器」という機材について。
詳しく調べてみることにしました。

保安器とは外部からの衝撃などから回線を守るための機材

まずは保安器がどんな機材なのかについて確認をしてみましょう。
簡単に言ってしまえば外部からの衝撃から回線を守るための機材です。

保安器自体は自宅の外壁についている、電柱から電話線を自宅内部に引き込むところに
つけられている機材です。

年代によって形は色々とありますが、多くの場合は縦に細長い形をしています。
電柱から電話線をこの保安器につなぎます。

それから壁を通って家の中に電話線が通り、壁のモジュラージャックという差込口で
電話機とつながります。

外部との境界線に使われているのが「保安器」という機材です。
では実際にどんな機能があるのか。

中に使われている基盤には、大電力が通ると溶解して電気の通りを止める
ヒューズやアースに誘導するためのアレスタという部品があります。

これらは必要以上の電力が来た時に、電気を遮断してその先にある電子機器を守る
という役割を持っています。

つまり雷などが電話線を通って家の中に入ることを防ぐためにつけられているのが
保安器という機材なのです。

保安器には責任分岐点の役割もある

機材としての役割は先ほどの「雷などの高電力から電子機器を守る」というものですが
保安器にはもう1つの役割があります。

それは機材としてではなく、ある意味「目印として」使われています。
責任分岐点、という役割を持っているのです。

責任分岐点とはなんなのか。
簡単に言えばどこからどこまでが、誰の責任という判断をするためのポイントです。

なにかの通信障害が起きた時に、電柱から保安器までの間にその原因があれば
回線業者の責任となります。

この場合はNTTに責任が発生するので、工事などの対応をNTTが行うことになります。
保安器から先に原因があれば契約者に責任があるということです。

その場合は一般電気工事会社などに連絡をして、契約者が修理や工事をすることに。
これらの責任発生の目安になるのが保安器です。

責任の所在は保安器内部のネジの位置まで決まっているので、障害発生の時には
かなりしっかりと確認されることになります。

保安器自体の性能でADSLでの通信に影響が出ることも

保安器の役割を把握してもらったところで、この保安器がインターネット通信に
どんな影響を与えるのかも確認してみましょう。

保安器は電話線を守るためにある機材です。
つまり電話回線をインターネット回線として使う時に影響を受けます。

現在インターネット回線として使う場合にはADSLとISDNというサービスが
提供されていますが・・・

通信速度などに影響を受けるのはADSLのサービスを使う場合です。
保安器の種類によってはかなり大きな影響を受けることになります。

では実際にどんな影響が出るのか。
その解決方法と一緒に確認しておきましょう。

インターネット中に回線が途切れることがある

ADSLを使ってインターネットをしているときに、電話の着信があると回線が
切断されてしまうという報告があります。

同じ電話回線を使っていると言っても、電話の音声回線とインターネット回線の
データ通信では使っている情報が違います。

電話回線を通る時の周波数も違うはずなので、インターネットの利用中に着信があっても
回線が切断されるということはないはずなのですが・・・

保安器の種類によっては電話の着信があるとインターネット回線が切断されてしまう
という症状がでているのです。

何故こんな事が起きるのか。
その原因を確認してみましょう。

電話の呼び出しベルの信号が通信ノイズとなっている

電話への通話着信があると、電話の呼び出しベルの信号が発信されます。
これが保安器内部で通信ノイズとなって影響していると言われています。

通信ノイズがあると、場合によっては回線がかなり不安定になります。
その結果として回線切断ということに。

特にADSLでは回線が影響を受けやすく、通信ノイズに弱いということもあり
インターネット接続中に回線が切断されるということが起きるようです。

ただこの症状は一部の保安器に確認されているだけで、全ての保安器で起きる
という症状ではありません。

あまりにインターネットの接続中断という症状が起きるなら、保安器の型番を
確認してみましょう。

6PT保安器で回線切断の症状が起きる

保安器の型番を確認するには、カバーを開けて見る必要があります。
グレー、またはベージュの細長い保安器の場合はカバーを開けてみましょう。

中には回線がネジで接続されている鉄板のようなものがあります。
この鉄板の表面に6Pや6PTと書かれています。

この「6PT」と書かれている保安器で、回線切断という症状が確認されています。
これを6Pの保安器に交換すると症状が起きにくくなる、ということです。

ちなみに6PTはNTT試験台から保安器までの通信の折返し機能が付いていて
自宅で人がいなくても試験ができる、という機能が付いています。

6Pの保安器にはその折返し機能がない、という違いがあるだけです。
更に6PTの保安器でも通信ノイズが出ないというタイプもあります。

6PT保安器の後期型では回線切断の症状が確認されていません。
ただしカバーを開けただけではそれが前期型か後期型かはわかりません。

カバーを外した保安器のネジを触ると法律違反

型番の確認をする時に、カバーを外すくらいなら大丈夫なのですが・・・
カバーを外して、中のネジなどを触ってしまうと法律違反になります。

保安器自体を調整するには「電気工事担当者」という資格が必要です。
これを持っていない人が保安器の調整をすることは出来ません。

運転免許を持っていない人が運転をすれば法律違反となります。
この場合も同じで、法律違反になってしまうのです。

内部の基板は見えないようになっていますが、そこに回線をつなげるために
ネジを使って止めています。

このネジを動かすだけでも調整をしたと判断されてしまうのです。
絶対に触らないようにしましょう。

カバーを開けるだけなら、上方向にスライドさせるだけで簡単にできます。
この行為自体は保安器の調整とは判断されないようです。

初期の保安器の場合、通信速度に影響が出る可能性も

保安器が原因でインターネット回線の通信速度が落ちる、という状況はもう1つ
保安器の機種が古い場合にも考えられます。

保安器自体にも何種類か形があり、初期の保安器は円柱のような形でした。
機能としては変わらずに高電力による機材の保護と分岐点です。

でも、古い保安器を使っていてNTTの基地局からの距離も遠くなってしまう場合に
インターネット回線の通信速度がとても遅くなるという報告があります。

この場合もやはり原因は保安器にある、と考えられるようで・・・
対処方法としても保安器の交換が必要になるそうです。

ではその状況をちょっと詳しく確認してみることにしましょう。

古い保安器を使っている場合、基地局から4km離れると通信速度が落ちる

色々と調べてみると、基地局から離れることでADSLは通信速度が遅くなる
というのはある程度多くの方が実感している現象です。

元々ADSLで使っているメタル回線は周囲の通信ノイズの影響を受けやすく
長距離のデータ通信では通信速度が落ちやすいのですが。

通信速度が落ちやすい、といえどそれなりにデータ通信が出来るはず。
それも出来ないほど通信速度が遅くなるのは保安器の性能という意見がありました。

実際に保安器が昔のタイプで、基地局から4kmも離れてしまうとかなり遅い
通信速度でのデータ通信になるということです。

ホームページを開くだけでも写真などのデータ転送が出来ずに、タイムアウトで
ページを表示できませんと出るそうです。

これほど通信速度が遅い、というのは基地局からの距離が遠いという問題以前に
やはりなにか原因があると考えるのが普通です。

あまりにも通信速度が遅い場合は保安器の交換を考えましょう。

雨で通信ノイズを拾ってしまうケース

実際に保安器交換が必要になった事例を確認してみましょう。
まずは雨が降るとインターネットが途切れやすくなる、というケースです。

症状としては雨が降るとインターネット接続している途中で急に回線が切断される。
電話も使っているがこちらは普通に通話可能。

この状況がずっと続いた、という方がNTTに連絡をして確認してもらったそうです。
原因はやはり古いタイプの保安器でした。

この方の場合、NTTに電話をして職員を派遣して確認してもらったそうです。
でもその時にははっきりと原因がわからない、ということでした。

そこで以前ネットで見かけた「ADSLでネットが途切れるのは保安器が原因」という
情報をその職員に伝えたそうです。

そこで保安器を交換してもらい様子を見たところ、症状が出なくなりました。
後で原因を予想してもらうと、雨が着信ベルの呼び出しとご認識されたとのこと。

古いタイプの保安器では電話の着信があるとインターネット回線が途切れる
という症状が出ることは説明しました。

これと雨音をご認識してしまう、というのが原因だったそうです。

電話線設置からの年月が長いと経年劣化でノイズが入る

もう1つ、保安器を交換してもらったという事例がありました。
こちらはかなり大変だったようです。

症状としてはADSLを使ったインターネットがすぐに断線する、通話中にも
ノイズが入りまともに聞き取れない事がある。

モデムの故障なども考えて色々と交換したそうですが、症状が改善されず。
NTTに連絡をして確認をしてもらったそうです。

結果を言えば、電柱の電話線、保安器、保安器からモジュラージャックまでの電話線
電柱から保安器までの電話線の全てを交換しました。

最終的にはノイズは無くなり、安定したインターネット通信と通話が出来るようになった
ということです。

こちらも交換工事のあとでNTTに原因を聞いてみたところ、電話線を最初に設置した
地域ではすでに交換が必要なほど経年劣化しているということです。

通話にもノイズが入る場合は電話回線自体がおかしくなっている可能性もある
ということがわかった事例でした。

保安器の交換修理は基本的に無料

ではインターネット回線を正常化するために、保安器の交換をしたいという場合には
どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

先ほどの事例では、どちらも通信ノイズ、通話にもノイズという症状が確認できて
その原因解消のために保安器の交換修理が必要ということでした。

この人達の場合にはNTTから交換修理にかかる費用は請求されていません。
派遣された人に確認をしたら「無料でできます」ということだったそうで。

保安器の交換は、責任分岐点でいうとNTTの責任になるということでしょうか。
安定したサービスを提供するため、ということで無償修理が出来るようです。

症状が出ている場合は気兼ねなく交換修理を頼むことができそうです。

症状がない場合には部品代金が必要になる可能性も

ではインターネット回線の通信速度が遅いなどの症状がない場合は、交換修理に
お金がかからないのでしょうか?

これはちょっと難しいところですが、完全につながらない、頻繁に断線するという
症状があまり見られない場合には「修理」と考えられないこともあるかと。

通信速度を上げるために契約者の都合で交換、と判断されれば交換する保安器自体の
部品代金が請求される可能性もあります。

部品代金自体は6,000円程度なので、それほど大きな金額ではないのですが・・・
当然契約者が勝手に交換はできないので派遣工事ということになります。

この派遣費用も5,000円くらい必要になります。
NTTとの交渉次第、ということになりそうですが無料ではない可能性は高いです。

電話に限らず電話回線を使う場合に保安器はとても重要

現在では固定電話を使っている家庭も少なく、インターネット回線としても
ADSLはサービス提供終了が決まっているサービスでもあります。

サービスの利用者自体は少なくなっていますが、地方都市などでは今でも
かなりの利用者が必要としているサービスでもあります。

実際に光回線が届かない地域では今でもADSLが必要なところも多いですし
固定電話も利用している家庭はあります。

そんな電話回線を使う場合、保安器の機能というのはとても重要になります。
自宅の機材を守るためには雷対策は絶対に必要なのです。

ただ電話回線を設置してからの時間が長い場合、保安器自体の経年劣化も
考えるということが必要になります。

通話やインターネットが途切れやすくなった、ノイズが入るという症状があるなら
NTTに連絡して交換してもらうことも考えましょう。

その場合は局番なしの113に連絡しましょう。