ADSLとはどんなサービスのこと?

以前のインターネット回線は電話回線を使ったサービスが一般的でした。
最近では光回線が主流となっています。

でも現状ではすでに電話回線を使ったサービスの終了も発表されています。
現在まだ契約している人は、サービス終了までに乗り換える必要があります。

この以前主流だったサービスの1つ、ADSLとはどんなサービスなのか。
詳しく調べてみました。

ADSLとはメタルケーブルを使った高速デジタル通信方式

まずはADSLについての詳しい説明をしていきます。
そもそもADSLとは何なのでしょうか?

ADSLとは「既存の電話用メタル回線を使った高速通信可能なデジタル伝送方式」
という意味です。

一般的には「ADSL回線」という言われ方もするのでちょっと迷うところですが。
はっきり言えばADSLは回線の名前ではありません。

電話回線として使われているメタル回線を使った高速デジタル通信方式のことを
ADSLというのです。

今まで使っていた電話回線をそのまま使って、デジタルでの高速通信を可能にした
通信サービスということになります。

ISDNはデジタル回線のサービス

では同じように電話回線を使ったインターネット接続サービスのISDNとは
どんなサービスなのでしょうか。

こちらはデジタル回線で、2回線を同時に使う事ができる回線のことです。
つまりISDNはデジタル回線のサービスのことなのです。

ADSLで使っているメタル回線はアナログ回線です。
回線自体はアナログ回線で、それを使って提供するサービスがADSLです。

ISDNはデジタル回線のことです。
これがADSL回線という間違った認識が広がった原因の1つと考えられます。

そもそもISDN回線とADSLは基本的に違うものです。
混合しやすいものでもあるのですが。

デジタル信号はノイズが入りにくく安定する

メタル回線を使うADSLはデジタル通信と言っても、アナログ回線を使うために
どうしても通信ノイズが入りやすくなります。

これに対してISDNのデジタル回線は回線自体がデジタル通信に対応しているので
通信ノイズが入りにくいというメリットがあります。

実際にISDNを使った通話では、アナログ回線での通話よりも音がクリアに聞こえて
とても通話しやすいという印象です。

通信ノイズが入れば、データ通信としても転送先でのデータ復旧に時間がかかります。
つまり通信速度が遅い、という状況なのです。

ADSLでデジタル伝送ができるようになり、アナログ回線でも通信速度が上がるのですが
ノイズの入りやすさは変わらないので距離が長くなると通信速度が上がりにくくなります。

通信ノイズが入りにくい、というのはデータ通信にもかなり影響があるのです。

光回線は光ファイバーケーブルを使ったサービス

インターネット関係で言えばもう1つ、光回線というサービスもあります。
こちらは光ファイバーケーブルを使ったインターネット専用回線を提供しています。

ADSLやISDNと違って光回線はインターネット専用回線です。
電話と共有することも出来ますが、それはIP電話という別のサービスです。

今までのインターネットは既存の電話回線を使ってインターネット接続もする
というサービスです。

でも光回線の場合、インターネット専用回線を設置して使います。
基本的にはインターネット接続のための回線サービスとなります。

そしてインターネット専用の回線で、しかも通信ノイズの入りにくいケーブルを使うので
データ通信ではかなり安定した回線となります。

光ファイバーケーブルを電話線に使っている地域も多い

光ファイバーケーブルは通信ノイズが入りにくいので、最近では電話回線としても
広く使われるようになりました。

地域によってはすでにメタル回線から光ファイバーケーブル回線への交換が終わっていて
電話回線としても光回線を使う地域が増えています。

通信回線としてもかなり安定性の高い光ファイバーケーブルはインターネット専用以外に
多くの通信回線として利用されつつあるようです。

光ファイバーケーブルではADSLが使えない

電話回線も光ファイバーケーブルになっていることで、ちょっとした問題点も。
メタル回線を使うデジタル通信サービスのADSLが使えないのです。

そもそもADSLはメタル回線を使ったデジタル通信サービスです。
光ファイバーケーブルの電話回線では利用することが出来ません。

つまり現状地域によってはADSLが契約できない、という状況になっています。

一応地下ケーブルの設置場所にメタル回線を設置したまま、まだ設置する場所がある
という場合にはメタル回線を使ってのADSLが可能ですが・・・

完全に光ファイバーケーブルに移行した地域ではADSLの契約が出来ません。

ただ、現状ではすでにサービス終了が決定しているADSLに新規加入申し込みの
受付をしているところもないのですが。

現在ADSLを使っていて、地域の電話回線が光ファイバーケーブルに変更になる
という場合にもADSLが使えなくなるので気をつけてください。

ADSLは広い周波数帯を使って通信ができるデジタル通信サービス

ADSLの技術的な特徴なども確認しておきましょう。
最初に説明したように、ADSLはメタル回線を使ったデジタル通信サービスです。

今までの電話回線を使って、下り最速45Mbpsを超える通信速度が出せるのには
技術的な理由がちゃんとあるのです。

ちなみに普通にメタル回線を使った電話回線で、ダイヤルアップ通信でのインターネット
接続をする場合の通信速度は下り最速56Kbpsです。

以前のパソコン通信ならこれでもなんとか通信が出来たのですが・・・
画像や動画を使うインターネットのホームページを見るにはかなり厳しい速度です。

しかも「最速」でこの通信速度ということは、平均すればもっと通信速度が遅くなります。
その状態ではまともにインターネットを使うことは難しいかと。

そこでブロードバンドと言われる、高速通信可能なサービスが提供され始めて
その中でADSLというデジタル通信サービスが開始されたのです。

ではなぜADSLはダイヤルアップ通信よりも高速での通信ができるのか。
その理由は使っている周波数帯の広さにあります。

音声データは狭い周波数帯しか使っていない

ダイヤルアップ通信とADSLは同じメタル回線を使っています。
それなのにADSLでは高速通信ができる理由は利用する周波数帯が広いから。

通常の音声通信、アナログ信号では4khzというかなり狭い周波数帯でのみ
通信を行っています。

でもメタル回線では、3,750khzというかなり広い周波数帯の通信ができるのです。
アナログ信号はメタル回線の性能の一部しか使っていないのです。

そのメタル回線の性能をすべて使い切って通信するのがADSLのデジタル信号を使った
通信というわけです。

単純に高周波数帯のデジタル信号を使っている、という意味ではなく「広い周波数帯」で
通信をすることに意味があります。

周波数帯を広く使うことで、一度に多くのデータ通信ができるようになります。
これが通信速度を高くすることにつながっているのです。

ADSLでは上りと下りで使う周波数帯が違う

ADSLの特徴の1つは上りと下りで使うデータ通信の周波数帯が違うことです。
上りでは26~138khz周波数帯を使っています。

そして下りでは138~3,750khzというかなり広い周波数帯を使っています。
更に下りでは周波数帯の幅によって通信速度が違っています

ADSLサービスでは通信速度の最高速を選んで契約することができます。
下り速度が速いほど月額料金が高くなる、という感じです。

下り最速1.5Mbpsなら138~552khzの周波数帯を使っています。
下り最速12Mbpsなら138~1,104Khzという具合に幅が広くなっていきます。

このように下りと上り、下りでも通信速度によって使っている周波数帯が違うというのが
ADSLの大きな特徴になります。

ADSLは複数あるxDSLサービスの一つ

ちなみにADSLとはDSL、デジタル加入者線サービスの1つです。
DSLというサービスは他にも複数あります。

ADSLの場合は上りと下りの使っている周波数帯が違う、という特徴があるので
アシンメトリーの頭文字AをつけたDSLサービス、ということです。

デジタル加入者線サービスというのは、簡単に言えばメタル回線を使った高速通信の
デジタル回線サービスのことです。

またはそのサービスを提供している業者のことを指す場合もありますが。

一応上り下りの利用周波数帯が同じシンメトリックの頭文字Sを使ったSDSLという
サービスもあります。

このようにxDSLというサービスの1つがADSLです。

アナログ信号とデジタル信号、それぞれの特徴

次にダイヤルアップ通信で使っているアナログ信号とADSLで使っているデジタル信号
それぞれの特徴やメリットとデメリットを確認してみましょう。

アナログ信号というのは電話で普通に会話する、つまり声など音声データそのままを
通信しているということです。

これに対してデジタル信号は声を一度デジタル化して、それを通信しています。

例えばFAXで考えると、画像データなどを送信できますが使っているのはアナログ回線で
画像データを送るためにアナログ信号に変換しているのです。

つまり音声データとして通信して、それを送信先の機材で再び音声データを画像データに
変換してプリントアウトしています。

FAXを受話器で取ると「ピー」や「ガー」といった音声になっているのはそのためです。
それに対してADSLでは無音でデータ通信をしています。

このアナログ信号とデジタル信号それぞれのメリットとデメリットも考えてみましょう。

アナログ信号は全国に普及していて安定して使える

普通の電話回線は、公衆電話を始め全国的にかなり広く普及しています。
基本的に日本国内では通話できないところはない、というほどの普及率です。

そして災害大国の日本では災害に強いというのも大きなメリットです。
故障に強く、復旧にも時間がかかりません。

障害にも強く、公衆電話は地震などの災害時でも優先的につながるので
被災地で連絡をするためにはかなり重要な回線の1つでもあります。

現在アナログ信号を使った通信というのはかなり縮小されていますが、完全に
なくなることがない通信方法と考えられます。

アナログ信号はセキュリティに問題がある

アナログ信号のデメリットとしては、音声データそのままなので盗聴されると
全てが分かってしまうことです。

通信ノイズが入りやすい、ということはそのまま通信データが外に漏れやすい
という意味でもあります。

そしてアナログ信号はデータをそのまま通信しているので、音声データの場合は
盗聴すればそのまま聞けてしまう、ということです。

セキュリティという意味ではアナログ信号はちょっと甘い、と言えるかと。

デジタル信号はセキュリティが高い

デジタル信号では音声データを0と1で出来たデジタル信号に変えています。
つまりそのまま聞いても意味がわからないのです。

万が一、盗聴されたとしてもデジタル信号なら再生することが難しく何を言っているのか
わからないという高いセキュリティが発揮されます。

またデジタル信号での音声データ通信では通信ノイズが入りにくく、音声がクリアに
聞こえるというメリットもあります。

回線もISDNのデジタル回線にすれば更に通信ノイズが入りにくくなり、もっとクリアな
音声での通話ができるようになります。

周囲の環境によってはデジタル信号のメリットが無くなる

デジタル信号のデメリットは、周囲の環境によって通信速度に影響を受けやすい
ということです。

ADSLでデジタル通信をしていても、使っている回線は通信ノイズが入りやすい
メタル回線です。

つまり周囲の環境によってはかなりの通信ノイズが入るので、ADSLのデジタル通信が
そのメリットを活かすことが出来ないという状況も。

通信ノイズが入れば、それだけ通信にかかる時間が増えてしまいます。
それは通信速度が遅くなるという実感になります。

特に基地局から遠くなるほど通信ノイズが入りやすく、高速通信ができる契約をしても
満足できる通信速度が出ないということも多くなります。

この場合はデジタル信号だけではなくデジタル回線に変える、という方法も考える
必要が出てしまいます。

ADSLの歴史は実験段階の2000年から始まった

最近では契約している人も少なくなってしまったADSLですが、一時期はブロードバンド
といえばADSLというほど普及をしていたインターネット回線です。

ではどのようにサービスの提供がされていたのか、ADSLの歴史を確認してみましょう。
元々海外で提供されていたDSLサービスの1つで、日本にも1999年に持ち込まれました。

日本で使っていたメタル回線でも使えることがわかり、すぐにサービス利用の実験が
始まりました。

ちなみに公開実験が行われたのは長野県のプロバイダの敷地内で、今でもADSL発祥の地
という記念碑があります。

ここでの実験が成功した後、実際に東京23区内でデモセンターを開設。
その後同じく23区で実際にADSLサービスの提供が2000年に開始されました。

2001年には多くのプロバイダ、回線業者からサービス提供が開始される

サービス開始から注目度は高く、実際に2001年にはYahoo! BBから提供されていた
BBフォンと合わせて利用できるIP電話のサービスも開始されます。

同時業者同士の通話が無料でできる、というメリットのために多くのユーザーから
注目される人気のサービスとなりました。

次いでNTTでもフレッツブランドで光回線とADSLの同時展開でのブロードバンドの
回線サービスを開始しています。

他にも多くの業者が参入して、ADSLは広く使われるインターネット回線となり
多くのユーザーが利用することになります。

実際2006年には1,452万件というかなり多くのユーザーが契約する回線サービスとして
使われていたのです。

この最盛期にはDSLサービスのシェアは固定回線サービス契約者の75%というかなりの
利用率だったのです。

NTT系列では2016年6月30日以降の新規加入申込受付終了

ただADSLの契約者数はこの2016年をピークに下降することになります。
その理由は他のブロードバンド回線サービスに移行するユーザーが増えたことです。

WiMAXを始め、携帯電話やスマホ、光回線などのサービスが普及し始めます。
普及をすれば提供させる料金も低くなり、使いやすくなります。

通信回線の安定性や通信速度の関係もあり、光回線への乗り換えが増える中で
2019年には最盛期の12%程度、173万件まで契約者数が減少しました。

しかもADSLサービスは提供終了も発表されています。
2023年1月31日でNTTではフレッツ光の提供エリアでのADSLサービス終了となります。

これに伴って、すでにNTT系列では2016年6月30日以降の新規加入者申し込み受付を
終了しています。

そしてNTTのフレッツ光提供エリアでの提供終了を受けて、その他の地域でも
ADSLの提供が終わる可能性は高い、という意見が多くなっています。

現在はまだサービスが提供されていますが、今もADSLを使っている方は近い内に
回線サービスの乗り換えを求められることになります。

ADSLには2つのタイプのサービスがある

ADSLサービスについての説明もしておきましょう。
提供されているのはタイプ1とタイプ2というサービスです。

どちらも電話回線を使ってインターネット接続をするサービスなのですが、契約者の
回線状態によって使えるサービスのタイプが違います。

それぞれのサービス内容を確認してみましょう。

タイプ1は電話共用タイプ

ADSLタイプ1とは、普通に電話回線を使った契約をしているユーザーに向けて
インターネット接続サービスを提供します。

つまり電話共用タイプがADSLタイプ1ということです。
こちらの場合、室内で電話機とADSLモデムに海鮮を分配する必要があります。

電話をつないでいたモジュラージャックに「スプリッタ」という分配気をつけて
そこから電話機とADSLモデムをそれぞれ接続します。

電話加入権を持っていて、アナログ電話と共用するのはこちらのタイプになります。

タイプ2はADSL専用タイプ

ADSLタイプ2は既存の電話回線とは別にADSL専用回線を設置して利用するタイプの
サービスとなっています。

電話回線がADSL専用になるので電話との併用をすることが出来ません。
ただし電話加入権を持っていない、という方でもADSL契約ができます。

分配器のスプリッタも必要なく、モジュラージャックから直接ADSLモデムに接続し
そのままパソコンなどの端末に接続します。

一人暮らしで電話加入権を持っていない、という方がADSLを使うときにはこちらの
タイプ2を使うという人も多くいました。

タイプ2では回線設置工事が必要な可能性も

タイプ2の場合、電話加入権を持っていなくてもADSLに加入することができます。
ただし電話回線は設置していることが必要です。

アパートなどで電話回線が部屋まで設置されていればいいのですが、電話回線もない
という場合には回線設置工事が必要になります。

ADSLはあくまでもメタル回線を使ってのインターネット接続サービスなので
メタル回線が設置できない状況ならタイプ2でも加入は出来ません。

当然メタル回線がない状況で契約するなら設置工事が必要になるわけです。

ADSLを使うときに必要な機材

ADSL設置の時の機材の話が出たので、こちらの説明もしておきましょう。
ADSLを使う場合には室内に機材を設置する必要があります。

このユーザーが利用する機材の他にも、回線業者が使う機材もあります。
そちらは基本的に、家の外壁などに設置されているはずです。

ユーザーが使う機材も基本的には回線業者やプロバイダがレンタルをしていて
購入する必要がある機材はありません。

当然回線業者が使う機材もユーザーが購入することはありません。
ただし工事をする場合には工事費が必要になります。

ではまずユーザー側の機材を確認していきましょう。

スプリッタ

先ほど簡単に説明した、電話機とADSLモデムに分配するための機材が
スプリッタです。

部屋のモジュラージャックに装着する、2口の差込口が付いている機材で
これも基本的に回線業者などからレンタルされます。

つまり解約時に返却する必要があるので注意しましょう。
かなり簡単な分配器なので、何かの付属品と間違えやすいのです。

大きさも3センチ四方くらいの立方体で、電話回線の分配器なので小さくて
外してしまうと紛失する可能性も高いので注意しましょう。

こちらはタイプ1でのみ使う機材で、タイプ2では使いません。
それも忘れずに覚えておきましょう。

ADSLモデム

その名前の通り、ADSLで使うモデムです。
モデムとはアナログ信号とデジタル信号の変換器のことです。

元々のモデムはパソコンなどで使っているデジタル信号を電話回線のメタル回線で
通信できるようにアナログ信号に変える変換器のことです。

パソコン通信やADSLができるまでの通信ではこのモデムが使われていました。
でもADSLでは通常のアナログ信号での通信をしません。

メタル回線、アナログ回線を使うのですがそこに通すのはデジタル信号です。
このアナログ回線で使うデジタル信号に変換するのがADSLモデムです。

メタル回線を通ってきた信号をパソコンで使うデジタル信号に変換するためにも
必要になります。

つまりADSLを使うためには必ず必要になるのがADSLモデムというわけです。

ADSLモデムのランプの状態の一覧

ADSLモデムでは色々なランプがあり、その点灯や点滅でADSLモデムの状況を
判断することができます。

ADSLモデムの機種によっても多少ランプの名称が違いますが、基本的には
同じ意味のランプがあるはずです。

そのランプの状態と本体の異常の関係を一覧にしてみました。
万が一のときにはランプの状態を確認してみましょう。

・ 電源ランプ
POWなどの名称になっていることもある
基本的に常時点灯で正常
点灯しない場合は電源供給が出来ていない

・ ADSLランプ
LINEという名前の場合もある
回線が繋がっていれば常時点灯、消えていれば回線に異常

・ DATEランプ
UNIという名前のときもある
モデムに繋がっている端末が通信していると点滅、していないと消灯

その他、機種によってはTESTランプがある場合も。
こちらは通信テストをしているときに点滅、点灯します。

ちなみにUNIとはUser Network Interfaceのことで意味としては
通信事業者と加入者の境界線、という感じです。

単純に加入者の端末がインターネット接続している、という状態を確認するための
ランプという意味のようです。

ADSLモデムは電源を入れるとトレーニング信号を送る

TESTランプがあるADSLモデムならわかりやすいのですが、電源を入れたときに
正常に基地局と通信ができるかテストをしています。

そのためのテスト信号、トレーニング信号を基地局のモデムに送ります。
この時のデータを元にして最適な通信速度が決まります。

このトレーニングで通信が正常ではない場合、プロバイダなどに帯域調整という
利用する周波数帯の調整をしてもらう必要があります。

ただそれは、現在の状況を説明して対応してもらうほうがいいかと。
ADSLがすぐに途切れるなど症状があればそれを伝えましょう。

通信業者側の機材も確認

ADSLを使うときに必要な機材なのですが、基本的にはユーザーではなく回線業者が
使う機材というのもあります。

こちらもADSLの通信速度に影響を与える機材でもあるのですが・・・
回線業者の機材なのであまりユーザーがなにかできる、というものでもありません。

ただし自宅の外壁に設置される機材もあるので、インターネットの通信速度が遅い
と感じるようなら交換を申し込んでもいいかと。

保安器

名前の通りに「安全を守る機材」ということです。
ADSLの機材としては、電柱から電話線を自宅内に引き込むための入り口です。

ADSLは電話回線のメタル回線を使って通信をするサービスです。
その電話回線は電柱から建物に引き込みをすることになります。

その電柱から、直接自宅まで引き込むのではなく保安器を通してから自宅内に引き込む
という形になります。

役割としては雷などから室内の機材、回線を守るために設置されています。
それと回線障害が起きたときに、回線業者と契約者の責任分岐点にもなります。

外壁に設置され、ここから電柱側に回線障害の原因があればNTTに責任が。
保安器から引き込まれた回線に問題があればユーザー側に責任があります。

保安器の型番が古い場合、インターネット通信に問題が出る可能性もあります。
その場合は保安器の交換を申し込むという方法もあります。

ただし交換には実費が必要で、10,000円くらいかかるそうです。
個人で交換工事は出来ないので、必ずNTTに連絡をしましょう。

DSLAM

回線業者の電話局にあるDSLモデムがDSLAMです。
印象としては巨大なDSLモデムの集合体、というところでしょうか。

ADSLと同じような通信サービスを行っている電話局や基地局に設置してあって
各家庭からのDSL信号をまとめ、それをプロバイダに送信します。

電話局に設置してあるので、ユーザーが見ることはありません。
操作をすることも出来ないのですが、ADSLを使うためには必須の機材です。

単純に「電話局側のADSLモデム」という認識でもかまわないかと。

ADSLを提供していた業者

多くの業者がADSLサービスを終了していますが、一時期にはかなりのプロバイダで
サービスの提供がありました。

ただしプロバイダは多かったのですが、ADSLサービス自体を提供していたのは
回線業者です。

ここではADSLを提供していた回線業者を確認しておきましょう。

NTT東日本

NTTのフレッツADSLを提供していた回線業者です。
対応プロバイダは細かいところを入れると100社以上にもなりました。

全国に設置されている独自の電話回線網を使ったサービスが提供されました。

最終的には多くのプランから選んで契約ができるようになります。
下り最速47MbpsのモアⅢなども提供されました。

NTT西日本

NTT東日本と同じくフレッツADSLを提供していました。
サービス内容も同じで、対応プロバイダも一緒です。

ちなみに対応プロバイダは大手ではBIGLOBEや@niftyなど今でのインターネットの
サービスを提供しているプロバイダがあります。

アッカ・ネットワークス

ホールセール型のADSLサービスで、こちらはプロバイダに向けてサービスの提供を
行っている業者です。

つまりユーザーはアッカ・ネットワークスに申し込みをするのではなく、こちらと
提携しているプロバイダに申し込みをすることになります。

料金もプロバイダ料金と回線料金を一緒にプロバイダに支払います。
対応プロバイダは6社ありました。

イー・アクセス

こちらもホールセール型のADSLサービスです。
やはり同じようにプロバイダに向けた提供となっています。

ただイー・アクセスでは対応プロバイダが最大16社と多く、プロバイダを選んで
契約ができるというメリットも。

申込みから開通までの期間が短く、それぞれのプロバイダでもお得なキャンペーンを
展開していたという特徴がありました。

Yahoo! BB

こちらは独自回線型、回線業者がユーザーに向けてサービス提供をしています。
プロバイダを選ぶことが出来ず、料金はまとめて回線業者に支払います。

Yahoo! BBがプロバイダも行っているので、料金体系がわかりやすいという
メリットが有りました。

またYahoo! BB独自のサービスも豊富で、プレミアム会員独自サービスなども
利用することが出来ます。

KDDI

ADSLサービス提供当時はDIONがプロバイダを行っていました。
高速通信サービスにも対応していたので、使いやすいADSLでした。

当時から「DIONセット割」などのサービス展開をしていて、携帯端末との
同時契約での割引という魅力を持っていました。

日本テレコム

ODNが行っていた独自回線のADSLサービスです。
当時のODN、日本テレコムのバックボーンはかなり魅力的でした。

全国842の対応局という多さもあり、安定したサービスが利用できると
注目されていたADSLサービスです。

ただし利用できる地域はやはり限られて、サービス自体が一部地域のみ
という状況がちょっと残念でした。

最終的なADSLサービス

ADSLでは最初1.5Mbpsという通信速度でのサービス提供でした。
その後、最高速度が更に高いサービスの提供が続きます。

最終的にはどれくらいのサービス提供があったのか。
フレッツADSLを例にして提供サービスを確認しておきましょう。

・ エントリー1Mタイプ 下り最速1Mbps
・ 1.5Mタイプ 下り最速1.5Mbps
・ 8Mタイプ 下り最速8Mbps
・ モア 下り最速12Mbps
・ モア24 下り最速24Mbps
・ モアⅡ 下り最速40Mbps
・ モアⅢ 下り最速47Mbps

名称はNTT東日本のものですが、NTT西日本でも同じ通信速度のサービスが
提供されていました。

ADSLはNTT収容局から離れると通信速度が落ちる

最終的には下り最速47Mbpsという高速通信が可能になるADSLですが
問題点もありました。

それはNTT収容局からユーザー宅の距離が離れることで通信速度が大きく落ちる
ということです。

使っているのがメタル回線なので、周囲の電波状況などでかなり影響を受けやすく
通信ノイズとして回線速度に影響を受けるのです。

はっきり言えば先ほどの回線業者の機材、DSLAMまでの距離が離れることで
通信速度が大きく下がっていきます。

最大の通信速度が出せるのはDSLAMまで300mまで、という地域のみです。
それ以降は段々と最高速度が下がっていきます。

2km以上離れると下り最速1.5Mbps以下になるのでADSLを使う意味がない
という意見もありました。

DSLAMがどこにあるのか、完全に把握できないので実際に使ってみないと
距離の影響がどこまでなのかわからないというのが最大のデメリットでした。

ADSLは2023年にサービス終了が決定

何度も説明しているように、ADSLはサービスを2023年に終了します。
そのために現在では新規加入申込受付を行っていません。

NTTではかなり早くから新規加入申込受付の終了がされていました。
ただサービス終了が決まるまではちょっと時間がありました。

そしてNTTの「フレッツ光対応地域でのサービス終了」が発表されると
独自回線での提供をしていたYahoo! BBも新規加入受付を終了します。

フレッツADSLのサービス提供終了が決まり、ADSLサービスはほとんどが
終了するという状態になります。

ADSLサービスの変わりに使える通信サービス

現在では新規加入受付はありませんが、今までに契約をしていたユーザーに向けて
サービスの提供は行われています。

でもすでにサービス終了が決定しているので、そのままではインターネットを
使うことができなくなります。

その前に代替サービスへの乗り換えをおすすめします。
どんなサービスに乗り換えられるのか、まとめてみました。

フレッツ光など光回線

現在の主流となっているインターネット回線サービスが光回線です。
フレッツ光の他にも地方電力系の光回線なども多くあります。

安定した高速通信ができるので固定回線としての魅力は高いです。
ただし集合住宅の場合はすでに導入されている必要があります。

また月額料金はADSLに比べるとかなり高くなります。
それほど高速通信に魅力を感じない、という方にはおすすめしにくいです。

モバイルルーター

ポケットWiFiやWiMAX2+などのモバイルルーターは回線工事が必要なく
現在光回線を導入していないアパートなどでも使いやすいです。

契約後すぐに端末が送られてくるので、契約から利用開始までの期間が短い
という魅力もあります。

ただし周囲の状況で通信速度に影響が出るのはADSLと同じです。
状況によってはかなり安定性に問題がある、という可能性も。

民泊WiFiなどレンタルWiFi

同じくモバイルルーターを使うサービスですが、こちらは端末がレンタルです。
月額料金も安く、料金体系がわかりやすいというメリットがあります。

通信速度は遅い場合も多いのですが、サービスによっては通信容量無制限など
魅力の高いサービスも多くなっています。

インターネットをガッツリ使うヘビーユーザーにはおすすめできませんが
ライトユーザーならレンタルという選択肢もあります。

ADSL終了に伴う強引な勧誘がある

ADSL終了が告知されてから、詐欺まがいのかなり強引な手口の勧誘が増えている
という報告があります。

内容は「ADSL終了で現在の電話回線が使えなくなるから光回線に乗り換えろ」
という勧誘です。

これは光回線の加入代理店が電話などで行っているのもで、ほぼ詐欺に近い行為です。
説明責任を果たしておらず、間違った認識を与えて契約させるという方法です。

確かにISDNでIP電話にしているならサービス終了で使えなくなります。
でもADSLで使っている電話はそのまま使い続けられます。

更にADSLもISDNも使っていなければ光回線にする必要がありません。

電話だけでなく、訪問での勧誘もあるので、これらの強引な詐欺まがいの勧誘には
十分な注意をしましょう。

ADSLの細かな質問を確認

ADSLについてよくわからない、という意見を見る事が多くあります。
それらの質問に対して回答をしてみました。

似たような疑問を持っている方の参考になれば、と思います。

ADSLとJCOMの近いは?

JCOMはケーブルテレビ回線を使ったインターネットなどのサービスを提供しています。
基本的にはケーブルテレビサービスの提供です。

最近ではKDDIの参加に入ったのでauひかりという光回線サービスも提供しています。
一方のADSLは電話回線を使ったインターネット接続サービスです。

テレビ放送などの映像サービスを行っていません。

光回線とADSLの見分け方は?

一戸建てならインターネット接続に引き込みをしている回線の種類で判断できます。
電話回線ならADSLで専用回線を引き込んでいれば光回線です。

ただし集合住宅でVDSLという電話回線を使った分配方式の光回線では、ADSLと
同じく電話回線のモジュラージャックからインターネット接続をしています。

使っている機材で判断できるのですが、それが難しいなら管理人や管理会社に
建物で使っているインターネット回線の種類を聞きましょう。

ADSLと同じくらいの月額料金で使えるインターネット回線は?

ADSLの低速料金プランだと月額2,000円台というサービスもあったので
それと同じくらいの料金というのはかなり安いということに。

現在だと月間データ通信容量の少ない、レンタルWiFiのプランくらいでしょうか。
こちらの場合はかなりのライトユーザー向けとなりますが。

高速通信のADSLプランを使っていたなら現在の光回線とあまり料金が変わらず
光回線への乗り換えがおすすめしやすいです。